ほくろは「あざ(母斑)」の一種であり、皮膚のメラニンを作る細胞が良性腫瘍化したものです。そのほとんどは良性ですが、まれに悪性の経過をとる「悪性黒色腫」が混じることがあります。また、ほくろとは別系統でありながら、似たような見た目をとる疾患(脂漏性角化症、基底細胞がん など)もあります。
さらに、高齢化に伴い、各種の皮膚がんを発症する方も増えています。
近年、皮膚がんや悪性黒色腫に関する知識がマスコミやインターネットで一般の方にも広がり、「自分のほくろが良性か悪性か知りたい」と来院する方が増えています。
皮膚がんや悪性黒色腫の多くは、熟練した医師によって早期発見が可能です。早期発見ができれば、早期治療も可能になります。
当院医師は、過去20年以上にわたり、大学病院にて皮膚がん、ほくろ、悪性黒色腫の診療に携わってきました。当クリニックにおいても、皮膚の早期発見を目指して積極的に診療を行っています。お気軽にご相談ください。」
日本における悪性黒色腫の年間発生率は人口10万人あたり1.12人です1。悪性黒色腫全体の5年生存率は、2006〜2008年の調査では69.5%とされていました(文献1)。ごく初期である「ステージ1」における5年生存率は95%以上(2006〜2008年では86.2%)であり、早期発見が極めて重要です(文献2)。
悪性黒色腫の早期発見には、「ABCDEルール」という診断基準と「ダーモスコピー」という検査法が有用です。
「ABCDEルール」(右表)は、欧米で提唱された概念で、家庭医が良性のほくろと悪性黒色腫の肉眼的特徴を比較し、悪性黒色腫の早期発見に役立てるための指標です(文献3)。
「ダーモスコピー」は21世紀になって発展した新しい検査法です。「ダーモスコープ」という特殊な拡大鏡で皮膚の表面を観察します。
熟練した皮膚科医は、「ABCDEルール」と「ダーモスコピー」を駆使して良性のほくろと悪性黒色腫を鑑別しています。当院の医師は、この2つについて多数の臨床経験を有しています。ほくろでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
[参考文献]