帯状疱疹とは
帯状疱疹は、「水痘-帯状ウイルス」というウイルスによって起こる感染症です。
通常は小児期に「みずぼうそう」として発症します。
感染したウイルスは、体内の神経に潜伏し、10年~数十年後に帯状疱疹として発症します。
特定の領域の皮膚に、先行するピリピリとした痛みがあり、数日後、皮膚に赤み(紅斑)や水ぶくれ(水疱)を発症します。
また、痛みに加えて、しびれや運動麻痺などが起こることがあります。
皮膚症状は10日ほどでかさぶたになり、3週間で傷あとをのこしてよくなります。
しかし、痛みなどの神経症状が良くなるのはさらに数週間かかり、まれには強い痛み(帯状疱疹後神経痛)や麻痺が長期間続くことがあります。
特に、抗がん剤やステロイド治療などで免疫が低下している方や高齢者では重症化の可能性があります。
より詳しい病気の説明をご希望の方はこちら(日本皮膚科学会のサイト)をご覧ください。
帯状疱疹はどのくらい発症しているのか?
帯状疱疹の発症率は、宮崎県と香川県・小豆島での研究データが参考にされています(文献1)。
年齢 | 帯状疱疹の罹患率 (1年間・人口1000人あたり) |
0-9歳 | 2.84 |
10-19歳 | 2.83 |
20-29歳 | 2.25 |
30-39歳 | 2.35 |
40-49歳 | 2.68 |
50-59歳 | 5.05 |
60-69歳 | 7.12 |
70-79歳 | 8.69 |
80-89歳 | 8.40 |
宮崎県の研究データ(文献2)より
年齢 | 帯状疱疹の罹患率 (1年間・人口1000人あたり) | 帯状疱疹後神経痛の 罹患率 (1年間・人口1000人あたり) |
50-59歳 | 9.2 | 1.4 |
60-69歳 | 9.6 | 1.3 |
70-79歳 | 12.9 | 2.6 |
80歳以上 | 12.6 | 4.1 |
小豆島の研究データ(文献3)より
このように、50歳以上では帯状疱疹の罹患率が大幅に増えており、帯状疱疹後神経痛の発症も、年齢と共に増加しています。
帯状疱疹の予防接種とは
現在、帯状疱疹に対しては、帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛発症予防を目的とした予防接種が、50歳以上の方に対し行われています。
また、2025(令和7)年4月から、65歳〜100歳の方を対象とした定期接種も行われます。
生ワクチン、組み換えワクチンのいずれかを選んで接種可能です。
ワクチンの種類 | 生ワクチン | 組み換えワクチン |
主な成分 | 弱毒化した水痘ウイルス | ウイルス蛋白+免疫賦活物質 |
接種回数 | 1回 | 2回(3ヶ月あける) |
接種方法 | 皮下注射 | 筋肉注射 |
免疫低下者への接種 | 不可 | 可能 |
期待される効果持続期間 | 数年〜10年 | 10年以上 |
帯状疱疹発症予防効果 | 接種後1年:62〜68% 接種後2年:49〜50% 接種後4年:35〜45% 接種後6年:30〜33% 接種後8年: 4% | 接種後1年: 98% 接種後2年: 93% 接種後4年: 90% 接種後6年: 89% 接種後8年: 84% 接種後10年:73% |
主な副反応 注射部位紅斑 注射部位腫脹 注射部位疼痛 倦怠感 筋肉痛 頭痛 悪寒 発熱 | イメージとしては インフルエンザの 予防接種レベル 44% 17% 15% 5%未満 | イメージとしては 新型コロナの 予防接種レベル 75%(グレード3は18%) 65%(グレード3は8%) 89%(グレード3は4%) 53%(グレード3は1%) 36%(グレード3は3%) 58%(グレード3は2%) 34%(グレード3は7%) 25%(グレード3は0%) |
当院での予防接種の申込みについて
当院では帯状疱疹の予防接種をおこなっています。
診療時間内に、電話087-894-7708、または当院受付にてお問い合わせください。
当院では季節性インフルエンザの予防接種もおこなっています。
診療時間内に、電話087-894-7708、または当院受付にてお問い合わせください。